2012年3月30日金曜日

リペアゲルエンリッチのバンヅケ

「社長」

「なんだね」

「羽が生えてますよ」

「それは私が禿げてることを隠喩しているのかね」

「違います」

「給料を増やして貰おうとお世辞を言っているのかね」

「違います」

「本当に私の背中に羽が生えているのかね」

「違います」

「では、嘘かね」

「いえ、羽が生えています」

「さっき自分で否定したじゃないか」

「背中ではなく頭に生えています」

「……つまりそれは私が禿げてることを隠喩しているのかね」

「違います」

「両端に虚しく残った天パーを馬鹿にしているのかね」

「違います。社長」

「なんだね」

「飛んでみて下さい」

「君は」

「はい」

「私をカツアゲしようというのかね」

「いえ」

「所謂、オヤジ狩りかね」

「違います」

「言っておくが」

「はい」

「私はまだ46だ」

「はい」

「オヤジではない」

「……」

「減俸」

「ひどい」

「黙りたまえ」

「社長お願いです」

「46はオヤジではない」

「飛んで下さい」

「まだ言うのかね」

「そうじゃなくて、社長。羽があるのに飛ばないでどうするんです」

「君は」

「はい」

「私を励ましているのかね」

「いえ」

「我が社が営業不振だからもっと頑張れと、そう言いたいのかね」

「いえ」

「つまり」

「はい?」

「『励ましている→禿げ増している』と、そう言いたいのかね」

「そんなつもりは」

「……私が禿げてることを隠喩しているのかね」

「違います」

「では、私が禿げてることを励ましているのかね」

「社長」

「なんだね」

「羽ばたいてみてください」

「君は」

「はい」

「誰に対してもそういう態度をとるのかね」

「いえ」

「ゆとり教育の影響かね」

「頭に羽が生えている人にしかこんなこと言えません」

「仮に私の頭に羽が生えていたとして」

「はい」

「天使の羽かね」

「いえ」

「では悪魔かね」

「トンボみたいな羽です」

「まさかの虫」

「はい」

「で、それは我が社にどういった影響を与えるのかね」

「……見当もつきません」

「では、こうして話をしているよりやるべきことがあるのではないかね」

「ですが社長」

「まだ何かあるのかね」

「一度鏡を見て来ていただけませんか」

「それは私にハゲを自覚しろと言っているのかね」

「いい加減にしろハゲ」

リペアゲルエンリッチの自由化

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