彼も治療中は、相当輸血をしたそうです。
白血病は貧血のような症状が出ますが、
輸血をすると、すうっと体が楽になるそうです。
治療中の2月、ひどい貧血症状が出ました。
頭が痛く、吐き気もしました。
血小板の輸血が必要でした。
しかし医師は
「明日にならないと、血小板は来ません。
明日までガマンしてください」
と言いました。
冬は、献血者が減るため
血液が不足するそうです。
その日の彼の日記には
「ふざけるな!。何で血がないんや!」
と書かれているそうです。
その日は、看護師さんにも相当当たってしまったと、
彼は笑いながら振り返りました。
翌日血小板が届きました。
血小板は人肌ほどに暖かい温度で
輸血されるそうです。
そのとき、看護師さんが言ったそうです。
「この血小板を触ってみてください。
温かいでしょう。これは見知らぬ人の
心のぬくもりですよ」
約100人の聴衆を前に、彼は
「私は、皆さんのおかげで生きています」
と頭を下げて締めくくりました。
僕は、献血をしたことがありませんでした。
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