しがないしがない23歳の私。
私は猫が好き。
けど赤ちゃんの時に猫にひっかかれ私のほっぺには未だ消えない傷がある。
その傷を指差しフランケンシュタインなんて呼んだ男子を一生呪ってやると誓った。
その傷が見えないように髪をのばしたら貞子みたいになってしまった。
そんな下向き歩いたネクラな学生時代。
を過ごした
私も23歳になり
最近恋をした。
私の職場は大型スーパーのイートスペース。
そこにお昼にたまに食べにくる従業員の男性。
恋の始まりは
会社のスポーツ大会。
野球のユニフォームが似合う好青年な彼に一目惚れ。
完全な一目惚れ。
すっごくかっこいい。
あんな人が私の彼氏になればいいと思った。
職場の先輩達に
『あの人は私の彼氏やけん』って冗談言いながら
お昼にくるたびキュンキュンした。
けど彼女がいるかもしれない。
居るのかな?
聞いてみたい!!
けどそんな勇気私にはない。
もうすぐクリスマスなのに…………あっ!
私はドキドキしながら
昼食中の彼に近づいた。
『あの~♪クリスマスケーキのご予約はいかがですかぁ~?』
『あーすみません。一人もんなんで…大丈夫です。』
『あっ…すみません。ありがとうございました~。ごゆっくり~………』
やったぁあっっ!!!!!
神様ありがとう!
あの人には彼女が居ません!よかった。
本当によかった。
やばい。やばい。…けど元祖ネクラな私は
彼女が居ないからってどうアピールしたらいいかわからない。
あぁ。結局、私には無理だ。何のアプローチ方法も浮かばない。しゅん。
と何もできないまま月日は流れ
いつものように職場の人には、あの人は私の彼氏設定で調子乗って話す私。
この調子を本人にもぶつけれればいいのに。
仕事終わり、帰ろうとする職場の先輩に
『お疲れさまでしたー。あっ、私の彼に会ったらいつものとこで待っててもらってて下さいね~笑』
『はいは~い笑』
といつもお決まりの言葉を交わして従業員通用口にいくと
職場の先輩が『あー居た居た!あんた!待ってたわよ笑』とニヤリ。
『!?』
そこにはあの人が居た。
ニヤニヤしてる先輩。
いつも勝手に彼氏呼ばわりしてるあの人が先輩に引っ張られ目の前にいる。
恥ずかしくて何も言葉がでてこない。
『じゃあ駐車場までみんなで行きましょう』
先輩を先頭に
駐車場まで行き、
『お疲れさまー』
みな各々自分の車に乗り込む
あー口から内臓出るかと思った..けど..けど
幸せ。
恥ずかしくて話せなかったけど幸せや......
ん?
あの人が車の前でなにやらもたついてる。
『どうしたの?』と私。
『あっいや...車の鍵をロッカーに置き忘れたみたいで』
『ロッカーまで距離あるし私の車でよかったら乗せていきますよ』
とこの口が言ってた。
この口ナイス!!
『あっ、ありがとう。』
従業員通用口に車を停め
『どうせまた駐車場いくなら乗せるから。ここで待ってるから。』
私は少しでも冷静を装いながらそう言った。
神様はいた。いらっしゃった!今日はついてる!ってか私の時代きちゃった?
十分後
あの人は来た。
『すみません。鍵がロッカーにもなくて!!実は今日先輩と飲みにいく約束してて申し訳ないんだけど歩いて帰ってたら間に合いそうにないから家まで送ってもらえないかな?』
『あっ、はい!私でよかったら』
あの人の家まで何を喋ったか覚えてない。
嬉しすぎて信じられなかった。
ただ覚えてるのは
あの人が降りる時
『今日は本当にありがとう。すごく助かった。お礼をしたいから、よかったら明日ご飯でもしませんか?』
と言ってくれた事。
私は本当にルンルン気分で仕方なかったけど。
そんなハイテンションな自分に気付かれないよう
ちょっとそっけなく
『うん』と言った。
次の日
19:00に待ち合わせ。
駆け引きとかよくわからない私。
ぬけぬけと待ち合わせに行ったら安い女と思われやしないだろうか。
だからって行かなかったら約束を破ったことになる。じゃあ
1分でも待ち合わせに遅れたら帰ろうと決めた。
他人に「せっかく憧れの人と会えるのにどっから湧いてくんだよ!そのプライドは!」と言われそうだが
私は決めていた。
それが運命ってもんなの。自分で決めたルール。
時計の針を見る18:59。
よし。
居なかったらこの場所通り過ぎて家に帰ろう。絶対待たない。
そう決めて顔あげると
あの人がまっていた。
喫茶店に入り
コーヒーをすすりながら私は冷静を装う。
頭の中で完全に『運命』という二文字が回る。回る。
憧れのあの人とお茶してるなんて夢すぎる!
『なんかご飯でも食べないの?』
って聞かれたけど胸がいっぱいで食欲ゼロ!
てかあの人が「この人」と呼べる距離にいる前で
食べれるわけない。がっつけない。
『....くれないかな?』
あの人が言った。
『えっ?』
『だから結婚を前提にお付き合いしてくれないかな?』
飲んでるコーヒーを吹き出しそうになった。
えっと
私は
あなたと妄想上ではお付き合いしてますから。
シュミレーションはばっちりなんですけど。
えっと。
まぢですか?
夢なら覚めないで。
気が動転しそう。
口から心臓でるならもうまさに今!
一世一代今しかない。
それくらい心臓バクバクしながらも
『えっと...あの...その言葉。私の親に言ってくれませんか?親に内緒でコソコソ付き合いたくないんで。』
と私。
『あっはい。』
とあの人。
そして次の日
あの人は私の実家にきて
『結婚を前提に付き合わせてください。一年間ちゃんとお金貯めます。一年後結婚させてください。』
そして24歳1ヶ月前に交際し
25歳の誕生日の1日前に私とあの人は結婚した。
そのふたりの子供があたし(ぅち)です。テヘ
そんな
フランケンシュタインと呼ばれた母とあの人な父と
歩いて家まで帰る道の途中。
振り返ると
手をつないでるふたり。
『うわっ。いい歳して恥ずかしい!』
とあたしが言うと
『あーらかおりちゃんは、まだこういう風な人できんけんうらやましいっちゃろ♪
くやしかったら
はよたっちゃんみたいな人見つけないよー。ねぇたっちゃん。』
『そうやんねーすーちゃん。笑』
いまだにお互いを
たっちゃん、すーちゃんと呼んでるバカップルなふたり。
すーちゃんはあたしに
『お母さんはね付き合ってる時は夫婦みたいねって言われて結婚したらカップルみたいねと言われるのが理想やったんよ』と言った。
叶ってますやん。
叶いすぎててなんかムカつくわ。
いつかあたしもと誓って
今朝
ふたりのケンカで目が覚める。
『はぁーまた鍵なくしたとね!たっちゃんはいつもやんね!同じ場所に戻すくせつけりぃ!』
『はぁ?しらんよ!ここに置いとったんにないんやけん!』
30年経った今でも付き合いだしたきっかけを繰り返してるふたり。
そんなふたりに憧れるあたし。
26歳と5ヶ月。
渾身のひとり。なう。ぅう
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